また再びの台北

すい臓がんのこと, 商社の本懐

台北に来て二日めになります。

先月のデュッセルドルフ出張に続いて、私としては2回めのチャレンジになります。

主治医は相変わらずフェールセーフで心配してくれるけど、ここまで来たら自分に制限をかけずになんでもやりたいって気持ちです。

先週金曜日のガンマーカーの検査では、数値は600弱でした。2週間前が300程度で、1ヶ月前が130程度だったところから考えると、順調に?上昇しているって感じです。9月に抗がん剤を1ヶ月やった後は、1000近くあった数値が一旦100近くまで下がっていたのですが、抗がん剤を止めるとやはりじわじわと数値が上昇してきています。それは織り込み済みなので、その事に対する感想はありません。オキシコドンやリリカなどのペインコントロールの薬は、診察のごとに増えてきており、オキシコドンは朝夕40mg、リリカは、朝夕、就寝前で1日トータル125mg飲んでいます。それでも、食後や深夜には激痛に耐えられず、頓服的に飲んでいるオキノームは1回15mg(5mg 3包)を1日6回から10回激痛のたびに飲んでいます。それでも薬を飲むと楽になるので、今のところコントロール出来ていると言えます。

台湾は近場でありますが、海外に出ているとなんだか自分自身の日常を取り戻した気分になります。去年はほぼ毎月、多いときは月に3回(というとほぼ海外で暮らしているようなものですが)出張していたのに、今年は、1月のドバイ、2月の台北、3月のシンガポールそしてウィーンと3月までは毎月出張してきましたが、それ以降は体調が極端に悪くなり、毎月入退院を繰り返すようになって、海外出張どころか職場にも行けないような状況でした。以前に書いたように、10月には、とうとうベッドから起き上がることができなくなってしまい、もう死ぬのだと覚悟を決めたほどでした。ところがその後、どういったわけか自分でも不思議ですが体調が劇的に回復しました。それで意を決して11月にデュッセルドルフで開催されるMEDICAというイベントに参加したのでした。

一度海外に出てしまうと、それがやっぱり自分の、この10年来の日常ですので、激痛を抱えながらもテンションはかなり上がってきます。なんとも不思議なものです。

台北も今年の2月までは事務所を開設した2年前からほぼ毎月来ていたのに、10ヶ月もブランクが空いた事になります。子会社自体は今年の1月の設立ですので、会社のCEOでありながら社員の中には私自身直接話したこともない人もいます。7人くらいの小さな所帯なのに・・・

今回の出張の目的は、台湾子会社の社長との打ち合わせ、そして台湾スタッフの教育です。

台湾は1月に会社設立後、やっと自立して活動ができるようになってきたので、あえて教育するようなこともないのですが、今だからこそ、どうしても台湾のスタッフみんなに話しておきたいことがありました。それは我が社(親会社)の創業以来のスピリットについてです。台湾子会社でも設立以来社訓として言葉はシェアしてきましたが、あえて深い話をしたことがありませんでしたので。

ちなみに我が社の社訓は「商社魂(Trading Firm Spirit)」です。
(大和魂ではありません、念のため😅)
泥臭いようで洗練されていて、分かりやすいようで分かりにくい言葉です。
(いや、洗練されていると思っているのはCEOだけだったりして😓 それになんだか昭和臭いし・・・)


明日のトレーニングでは、「近江商人」の歴史から解き明かしてゆこうと思っています。
台湾で近江商人の話かよ、って言われそうですが。それにそこから始めると大概話が長くなるんだよなあ・・・本題はあくまでもマーケティング戦略についてだし。

でもこの創業の精神を台湾でも受け継いでいってくれたらとても嬉しい・・・

そう思っています。

Taipei
台北市街 夕刻